暴落相場の乗り越え方

 株式を保有している状態で株価の暴落が起きると焦る人は多いです。資産総額が一瞬で30%消える(例:1,000万→700万円になる、300万円の損失)のを想像すると冷静でいられる人はとても少ないと思います。

 10年に1度は○○ショックと呼ばれる経済危機が発生しています。株価の暴落は災害に遭うよりもずっと高いです。むしろ必ず影響を受ける時は来ます。投資をしていなくても「就職」、「転職」、「給与」などを通して生活に及ぼしてきました。

 経済危機に対する対策は誰でも必要です。本記事は、株式投資家目線でどのような対策をすればよいか解説します。

過去に起こった経済危機(私が経験したもの)

サブプライムショック(2007年)

 「サブプライム問題」や「サブプライム住宅ローン危機」とも言います。米国の住宅ローンが不良債権となったことで、住宅バブルが崩壊しました。その影響で世界の金融市場が大混乱し、株式市場が大暴落しました。

当時の投資状況

 この時私は、FXを始めて1ヶ月経っていない状態でした。南アフリカのランドを日本円にして30万円ほど保有し、スワップ金利を得る投資を行っていました。サブプライムショックが起こった際に急激な円高になりました。そのため投資していた30万円は吹っ飛びました。

リーマンショック(2008年)

 サブプライムショックの影響を受け、米国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻しました。その結果、日経平均は約1万2千円から約7千円まで暴落しました。なんと約40%も下落しました。

当時の投資状況

 私は、サブプライムショック後にFXの勉強を徹底的に行いました。その結果、逆相関関係にある通貨ペアを保有することでリスクを下げつつ、スワップ金利を受け取るポートフォリオ運用を開始していました。その最中に再度経済危機に直撃しました。

 保有通貨が軒並みマイナス表示されていたので、ポジション一覧や口座残高を見ないようにして放置することにしました。理論的にはスワップ金利を受け取ることで資産は増加していくと信じていたからです。

 2年位放置していました。そろそろFXを再開しようと思って口座を確認したところ、利益が発生していてびっくりしました。このときに〇〇ショック時に狼狽売りしないでアホールド(長期保有)することの重要性を実感しました。

コロナショック(2020年)

 2020年2月に世界的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がりました。中国の武漢が発症と言われており、通称「武漢肺炎」とも呼ばれています。2月から3月にかけて、日経平均は約2万3千円から約1万6千円へと約30%下落しています。現在進行形で世界の情勢は変わり続けているところです。

投資状況

 過去の経験から株価などがV字回復することを想定して動いています。損失が多少出ていてもうろたえることはありませんでした。むしろチャンスと思って大胆に投資行っています。実際に、2月-3月の間に約150万円くらい株式に投資しました。詳しくは「資産公開」の2月と3月を御覧ください。

○○ショックの特徴と傾向

ショック後は元の株価にV字回復する

 〇〇ショックの度に各国は経済対策を行っており、約1年以内に株価はV字回復しているという事実があります。

 ただし日本は、経済対策に失敗して人口減少している世界でも景気後退国であることを認識すべきです。バブル崩壊後の日経平均は元の水準には戻っていません。

○○ショックへの対策

共通して言えること

相場から離れる

 相場から一度離れて頭を冷やすことが有効です。経済危機が起こった後は株価が元の水準へと戻っていきます。「何もしない」がベターな選択肢になることが多いように思えます。

 さらに、株価回復時に投資する銘柄を探しておくことが有効です。業績は変わっていないのに、経済危機が起きたという理由だけで売られている銘柄がいっぱい出てきます。バーゲンセールが終わる前に買う準備をしておきましょう。

保有資産のスイッチングをしない

 保有資産のスイッチングとは、株価の下落局面で株式を売却し、逆相関関係にある債券を購入するなどのことを言います。資産を売買するたびに手数料が発生するため損しやすくなります。

無リスク資産、現金(預貯金)を確保しておく

 生活防衛資金として、生活費の六ヶ月から一年分は現金で保有しておきましょう。ざっくり言うと手取り給料の1年分くらいです。経済危機や災害が起きたときに手持ちの現金がないと、住宅ローンや家賃の支払いのために株式などを売却せざるを得ないことがあります

 実際にコロナショックの影響で給料が激減し、住宅ローンの支払いに困ったいるという話をよく聞きます。また東日本大震災の時は、持ち家が津波で流されてしまい、家を借りるために現金が足りなくなった個人投資家もいます。株価が 戻ることが分かっていたのに株式を売却せざるを得なかったそうです。

精神力を鍛える

 投資で継続して結果を出すには精神的に強くなる必要があります。投資に根性論は必要ないと考えている人が大半だと思いますが、それは大きな間違いです。

 同じ30万円でも、利益の喜びより、損失の苦痛の方が大きいと言われています。このことは、「プロスペクト理論」として1979年に経済理論として発表されました。

 つまり、「利益を出す」よりも「損失を出さない」ように人間は行動します。損失が出ているときほど損したくないので損切りができないことを意味します。心のままに投資をしていると利益は小さく、損失が大きくなる取引ばかりしてしまいます。

 対策として、一度決めたルールは絶対に守るということが有効です。よく言われているのは、「5%株価が下落したら損切りせよ」などです。このようにはっきりとルールにしておくことで損失を限定することができます。また、ルールがあれば悩まなくなるので精神的に非常に楽になります。

投資心理学が学べるおすすめの本
ゾーン 投資心理学

 相場心理学を体系的にまとめてある本です。リスクを許容する方法の習得は、売買技術の習得であるという内容です。

生き残りのディーリング

 投資の世界から退場しないための基礎的なルールを網羅している本です。投資を始める前に必ず読んでおきたい本です。

高配当株(増配株)、優待株投資

 株の購入時に利回りがほぼ確定している投資方法となっています。基本的には売らないで、インカムゲインを継続して得るのが目的です。

 株価の高い・低いは、回収期間の差になります。配当金でいずれは元本を回収することになるので株価の変動はそこまで気にしなくて大丈夫です。

 売却してしまったほうがいい場合は、

  • 会社の倒産が予想される
  • 粉飾決算などの不祥事を起こしている
  • 連続で業績が悪化している
  • 連続で減配している

こういうときは要検討です。

 リスク(資産変動率)を減らしたいなら複数の別セクターへ分散投資しておくのが有効です。

 話は変わりますが、経済危機後は、利回りが上昇するので絶好の買いのタイミングになっています。ロスカットや逆指値などを巻き込みながら株価は売られ過ぎの水準に達します。投資をするチャンスを逃さないようにしましょう。

インデックス投資

 インデックスとは株式指数のことです。株式指数とは、日経平均225やTOPIX、NYダウ、S&P500のことです。インデックス投資とは、こういった株式指数に採用されている会社の株式を一括買いすることを言います。すべての銘柄を一括して購入するには莫大な資金力が必要です。

 そこで100円から投資することが可能な投資信託を活用するのが一般的です。複数の会社への投資となるので、倒産のリスクがかなり減ります。

ドルコスト平均法をやり続ける

 株価が暴落すると含み損がものすごいことになります。これ以上損をしないように積立をやめてしまう人の話をよく聞きます。バーゲンセール中に積立を止めてしまうのは非常にもったいないです。

株価の下落中から積立額を増額していく

 株価が下落したら、同じ金額でたくさんの投資信託(口数)を買えます。積立額の増額は、ナンピン(価格が下がったら買い増しする)なるのでよくないのでは?と疑問に思う人がいると思います。しかしそれは間違いです。余裕資金の範囲内で投資額を大きくしていくと、株価が回復したときに大きな利益になります。

20年以上先を見据えた投資方法なので絶対に売却しない

 インデックス投資は、完全に手法が確立された投資方法です。毎月定額で投資信託を購入することで資産を作ります。老後は、毎年資産額の4%は取り崩します。こうすると一生資産がゼロにならない状態が作り出せます。

 インデックス投資のルールを厳守しましょう。

まとめ

  • ○○ショック後に株価は元の水準に回復する
  • 損失が大きくなっているのを見て慌てて売却はしない
  • 割安な銘柄・投資信託を探してバーゲンセール中に購入する

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