妊婦加算が社会問題となった
2018年の秋頃にツイッター上で「皮膚科で会計をしようとしたところ、妊娠中か聞かれ妊娠中と答えたら会計金額が上がった」という主旨のつぶやきをきっかけに妊婦加算が話題となった。
各SNS上で「妊婦加算は妊婦税になっている」「妊婦加算は少子化を加速させる制度である」という意見が相次いで上がりました。
そして、自民党の小泉進次郎厚労部会長などの政治家を巻き込んで大論争となりました。
妊婦加算とは
「子供の成長への影響を気にして、薬や治療について過剰な説明を求めがちな妊婦を診察したお医者様へのごほうび」です。
障害児が生まれたり低体重出産したり何か問題が起きると、日本人は人のせいにする傾向があります。あのときに飲んだ薬が原因ではないか、レントゲン写真がきっかけではないかと疑心暗鬼になります。
それをこじらせると医者に対し民事訴訟を起こします。裁判の結果、「説明責任を果たしていなかった」などの理由により損害賠償が発生する事例もあります。
このように妊婦を診察・治療することは医者にとってハイリスクであり、なるべく妊婦は診ないようにしようという発想になります。事実として、産婦人科医と小児科医はどんどん減少しています。
そこで、「妊婦加算」することでお金を払うから、「妊婦さんを受け入れて下さい」、「治療するときに配慮して下さい」というふうな仕組みにしています。
妊婦加算されると、一般的な自己負担3割の場合、初診で「225円」、再診で「114円」支払い金額が増加します。医療機関側は、初診で「750円」、再診で「380円」の収入になります。
訴訟されるリスクと妊婦加算を考えると、妊婦さんの受診を拒否したほうがいいと思えます。
歯科医師の立場からの意見を言わせていただくと、歯科には「妊婦加算」がないので導入して欲しいです。「妊婦加算」がないので他の人に比べて「めんどくさい患者」になっています。
障害者や高齢者、小児も「めんどくさい患者」である
障害者、高齢者、小児、妊婦に共通して言えること
- 治療に特別な配慮が必要なので、時間がかかるので患者単価が下がってしまう。
- 何か問題が起きると医療機関が責められ、対応に苦慮することになる。実際に医療訴訟の件数が増加している。
妊婦加算問題を解決するには
妊婦の医療費負担をゼロにした上で、妊婦加算による報酬を増やしたら良いと思います。
妊婦の負担は減り、医者の収入が上がるからです。ただし国民全体の負担が増えるので、どこかで調整しないといけないです。
現実的なのは、老人の医療費の負担を一律3割にするとかですかね。
まとめ
障害者や妊婦、小児に高齢者は、割増料金を取らないと割に合わないです。医者は「めんどくさい患者」を診たくないんです。