ミニマリストのバイブルと言われているジョシュア・ベッカー著「より少ない生き方 ものを手放して豊かになる」を読んだのでレビューします。
モノが多い場合
モノが多いと片付け・管理に時間がかかります。整理整頓とはモノを並び替える行為のことを言います。モノを並び替えれば見た目はスッキリしますが、掃除やメインテナンスに使う時間は減りません。
モノを買うともっといいモノがどんどん欲しくなります。モノを買うのに使うのは、あなたが時間を使って働いたお金です。つまり時間でモノを買っていることになります。モノを買うために長時間労働するようになり、家族や友人と過ごす時間がなくなることに繋がります。
片付け・管理・長時間労働のトリプルパンチであなたは不幸になっていきます。
モノが少ない場合
モノが少ないと片付け・管理が少ない時間で済みます。モノが少ないということは、小さい面積の家に住むことができるので家賃や住宅ローンの負担が少なくなります。固定費が大幅に減少するので経済的に自立しやすくなります。お金の価値はその使い道で決まります。家賃や住宅ローンにお金を使うよりも、家族旅行に行くほうが価値が高いと思います。
持っているモノが少ないと、質が良いものを買うようになります。モノの数を制限するためには、高価で多機能なモノを購入するのが有効だからです。スマートフォンやパソコン、洗濯乾燥機、ロボット掃除機などは非常に多機能です。これらを持っているとテレビやゲーム機、物干し竿や洗濯バサミなどは不要になります。「一定のレベルに達したらそれ以上の違いはない」ので自分が満足できるラインを知ることも大切です。
ミニマリストになると幸せになる理由
広告業界は意図的に「消費」イコール「幸せ」と錯覚させるようなマーケティングを行っています。豪邸に住み、高級車で移動し、ブランド物に囲まれるのが上流階級(セレブ)であると思わせるようなTV番組やCMばかり流しています。日本人がモノに囲まれた生活を好むようになったのは、戦後からだと思います。広告業界の洗脳なのか資本主義の弊害であるかだと思いますが。
モノを手に入れることと幸せになることは無関係であるという研究結果があります。それに対して、家族や友人と一緒に過ごす時間が増えると幸せになるという研究報告があります。ミニマリストになると、積極的にモノを購入し消費する習慣がなくなります。ミニマリストは、「消費」すること以外で「幸せ」を見つけます。家族や友人との会話だったり、SNSを通じたコミュニケーションなどでです。収入が低くても幸せになれるのがミニマリズムの良いところだと思います。
幸せについて語ると宗教っぽい感じになります。ミニマリストって2000年以上前から存在するライフスタイルです。イエスやブッタは質素な生活を勧めていますよね?きっとお金を稼いでモノを購入することと幸せは関係ないってことを知っていたんだと思います。
ミニマリストになるためには
ミニマリストになるのは簡単なことではありません。ネットで「ミニマリスト」で検索すると様々な人のライフスタイルを知ることが出来ます。ミニマリストしぶさんであれば家電を使った合理的な生活ですし、佐々木典士さんの部屋にはとにかくモノがありません。メンタリストDaiGoさんは、部屋には異常なほど本があるのにミニマリストを名乗っています。それぞれ独自のミニマリズムで自分の夢を叶えています。
よく誤解している人がいますが、ミニマリストは持ちモノをとにかく減らす人のことではありません。モノの不在を愛することはミニマリズムではありません。人によって「必要」の基準は違います。駅近に住んでいる人は自動車は不要ですが、最寄り駅から30分離れている田舎に住んでいる人は自動車は必須です。自分にとっての「必要」で「十分」なモノがなにか知るためには実験をするしかありません。
少ないモノで暮らす実験のファーストステップは部屋にある全てのモノをダンボールに入れることからです。ダンボールはスーパーやドラッグストアで無料で入手できます。必要になったモノはダンボールから取り出し、部屋に配置していきます。これを繰り返していくだけです。一ヶ月経つとダンボールからモノを取り出すことはほとんど無くなると思います。つまりその時点でダンボールの中にあるものは、不要なモノです。
ダンボールの中を見てみると、不要だけれども思い出が詰まっており、捨てることが出来ないモノってあります。卒業アルバムだったり、トレーディングカードのコレクションだったりすると思います。そういったものはすぐに処分しなくていいと思います。それ以外の生活に必要ないモノはすぐに処分してしまいましょう。
大量のモノを処分するときは、まとめてリサイクルショップに持っていくかゴミ捨て場に出してしまうのが良いと思います。メルカリなどで売ろうとすると、莫大な手間と時間がかかります。売るのに苦労する割にはたいしたお金にはなりません。商品を検索して、高値で売れるモノだけメルカリで売りましょう。
感想
先日読んだミニマリストしぶさんの「手ぶらで生きる」の元ネタはこの本であると思った。こちらの本のほうが説明が上手い部分もあるので合わせて読むと良いと思います。
日本のミニマリストってミニマリズムの良さを伝えることが出来てないって感じます。お金稼ぎのためにブログやYoutubeで情報を小出しにし過ぎです。「ミニマリスト」や「ヒュッゲ」とかいうSEO対策の単語を使いすぎるのは止めて欲しい。そういった情報源よりもこの本は価値があると感じました。
ミニマリズムの一から十まで載っています。