ワンランク上の男を目指す上で押さえておくべきことは多い。昭和の名著である「男の作法」を読んだのでレビューする。
どんな本?
戦後に活躍した時代小説・歴史小説作家、美食家である池波正太郎の男としての心構えを記した本である。池波正太郎さんと編集者さんとの対話を本にした内容のようでかなり読みやすいです。時代を超えて通じる内容があります。古い本だからと行って読むのを敬遠したくなりますが、読まないのはもったいないです。
本のまとめ
5章で構成されています。食べる、住む、装う、つき合う、生きるに分かれています。時間のあるときにちょっとずつ気楽に読んでいくくらいがいいです。
食べる
ここでは外食するときの心構えが書かれています。日本食のお店の選び方、注文の仕方、正しい食べ方などを語っています。お店に対するマナー、出された料理を最高に美味しく食べる方法といったことは普通の家庭では習いません。
日本の上流階級に生まれたり、粋な上司を持ったりしなければ知り得ない情報だと思います。部下と飲みに行ったときに粋な振る舞いができるようになれそうです。
住む
池波正太郎さんの家は便所のドア以外は全部引き戸にすることによって部屋のスペースを確保していたとのことです。ドアを開けるために必要なスペースって物が置けなくなるので家具の配置なんかには気を使います。そのストレスから開放されるために全部引き戸にしたんでしょう。
また、畳を敷いた和室にすることで居間にも茶の間にも客室にも寝室にもできると述べています。この発想は目からウロコでした。現在の日本って賃貸ですと掃除しやすい洋間が好まれているんですよね。万が一畳が腐ったりすると退去費用もかかるし。一つの部屋を様々な用途に使える和室って実は便利だったんですね。
装う
服装や時計は職業、年齢、服装に合ったものにしないとバランス悪く見えるよってことが書いてあります。頑張ってライターだけブランド品にするとみっともないそうです。
お金をかけるのであれば、万年筆やボールペン、手帳などの仕事道具にしておくと立派に見えるそうです。私もボールペンはちょっと良いものを使用しています。良い道具を使っていると人から褒められることもありとても気持ちよくなります。
つき合う
人付き合いについて書かれています。世の中を良くなる方向へお金を使うべきであると書かれています。タクシーの運転手にチップを渡せば安全運転するようになり、交通事故が減るといったふうにです。
他には、プレゼントを選ぶときのポイントや結婚、女性の扱い方についても述べています。THE 昭和の男という内容なので、平成生まれの若者に通じるかは疑問です。いい意味で亭主関白になります。
生きる
生活していく上で心がけたほうがいいことを書いています。仕事は楽しみながらやり、男を常に磨いていくことで他人と差が出ると言っています。
小さなことの積み重ねがいずれは大きな差になるってことですね。私も常に男を磨き続けて進化していこうと思います。
感想
30年以上前に書かれた本であるが、現代にも通じる内容であった。男の品格を上げるお作法が書かれており、全ての男性は読むべきだと感じた。形式的なマナー本を読むよりも納得できる部分が多かった。取り入れたほうが良いと思った部分は、ちょっとずつ身に着けていこうと思った。
本来は親が子供に教育すべき内容ではあるが、世帯年収が800万を超えるような家庭でなければこういったことを教える余裕はないと思われる。家庭環境が悪い場所へ生まれても、本を読むことで勉強できることは素晴らしいと思う。
自分の子供に読ませたい一冊である。結婚相手の候補すらいないけど。